2020年8月
コロナ禍で失ったものも、もちろんあるのだが、得たものもたくさんあるような気がしている。それはなんだろうか。もちろん、それはもう少し経たないとわからない。まだ、決着はついてはいないからだ。いまの時点で、明確にわかっていることだけ書くと。自分にとってコロナ騒ぎがくれたものは、”遍在性”だ。外出しないのであれば、都会にいる利便性が活きない。”東京駅まで２０分”というフレーズが価値を得るのは外出するからだ。東京という街に住んで、高い家賃を払い、満員電車に乗る理由は、実は切実で、会社にいかないと生きていけなかったからだ。でも、自宅で仕事ができるのであれば、実はどこに住んでもよいのである。だから、もう東京にわざわざいる意味もないのだ。ということは、どこにでも住んでいいよ、ということだ。この遍在性を手に入れた私は 東京にいる意味と思い出を喪失し、どこに住んでもいいよ という許可を得たのだ。-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
8...
